HRDプレスリリース

第13戦 ベルギーGP 決勝レース
9月7日・日曜日(決勝レース) 天候:曇りのち雨 気温:16度

第13戦ベルギーGPの決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのジェンソン・バトンは15位完走。ルーベンス・バリチェロは、19周でリタイアした。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開:
 決勝当日も、朝から厚い雲が垂れ込めている。時おり小雨もパラつき、午前中の気温は13度。さらに正午前後には降雨もあったが、レース開始の午後2時時点では、路面は乾きつつある。気温、路面温度ともに16度の中、レースが始まった。

 ほとんどのマシンが、オプションタイヤを選択している。Hondaの2台は1コーナーの渋滞をうまく抜け、16番手スタートのバリチェロは15番手に順位を上げた。一方17番手スタートのバトンは一時16番手に順位を上げたが、1周目を終えた時点で17番手を走行する。


 11周目のL・ハミルトン(マクラーレン)を皮切りに、上位陣が1回目のピットインを始める。重い燃量でスタートしたHonda勢はその間に順位を上げ、15周目の時点でバリチェロ12番手、バトン14番手だ。そのバリチェロは、17周目にピットイン。しかし、その2周後に再度ピットに向かいギアボックスのトラブルで、そのままリタイアを喫した。

 14番手を走っていたバトンは、レース折り返し点の22周目にピットイン。15番手で、コースに復帰する。しかしプライム(ハード側)タイヤを履いた後半は、なかなかペースが伸びない。ゴール2周前、にわか雨が降り出し、首位を走っていたK・ライコネン(フェラーリ)がリタイアするなど、レースは混乱の展開に。バトンは緊急ピットインでレインタイヤに履き替え、チャンスをうかがったが、最後は15位完走だった。

■ジェンソン・バトン 15位

Q.難しいレースで、ポジションを上げるのは難しかったのでは?
A.マシンパフォーマンスは、僕らがスパで想定していたものに比べ、はるかにタフなものだった。17番手からいいスタートを切ることができず、僕が行きたい方向はすべてマシンに囲まれてしまった。そして、ルーベンスがギアボックスにトラブルを抱えたとき、その後ろに連なる隊列に僕もつかまった。最初のスティントからハンドリングがあまり良くなく、グリップがなくてバランスもとれていなかった。だから、ピットに戻ってきてプライムタイヤ(ハード側)に履き替えたとき、フロントウイングを立てた。そうするべきとは思ったのだが、昨日は2種類のタイヤを比較するチャンスがなく、残念ながらこの変更でフロントエンドによりすぎてしまった。それに、リアのタイヤ圧が低く、ドライブが難しい状態だった。

■ルーベンス・バリチェロ リタイア(19周)

Q.レースをリタイアした原因は何だったのか?
A.レースは僕にとって、すごくうまく進んでいた。しかし、残念ながらトゥルーリをオーバーテイクしてからすぐに、6速を失ってしまった。走行を続けようとしたが、ギアボックスの挙動から7速に入れる前に6速に入れなければならず、エンジンにオーバーレブが発生し、重大なダメージを負う可能性があった。このエンジンは今回から使っているもので、来週モンツァでも使用するため、チームはリタイアするのが最善の策だと判断した。全体としてはすばらしい週末とはいかなかった。僕らの最大の問題は、タイヤを温めるのに苦戦したことで、これがパフォーマンスに大きく影響した。

■ロス・ブロウン Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

Q.今日のベルギーGPはどうだったか?
A.2台ともきれいなスタートで、それぞれ順位を上げていた。われわれは、ルーベンスに2ストップ作戦、ジェンソンに1回だけと、戦略を分けることにした。天候の変化や、セーフティカーの導入など、あらゆるチャンスを活用するためだった。ルーベンスは、6速ギアなしで、ほぼ10周にもわたって勇気ある走りをした。しかしながら、ギアボックスの問題が悪化しており、これ以上続けるのは危険だと判断した。エンジンとトランスミッションにダメージを負う可能性があったし、このレースで使っているエンジンは新品だった。結果として、このときルーベンスの後ろで長く走っていたジェンソンは、競争相手から遠ざかってしまった。予定していた最初のピットストップまでのジェンソンのペースは良かったが、プライムタイヤに換えてからは苦戦していた。

Q.なぜレースの終わりに、もう一度ジェンソンのピットストップを行ったのか?
A.レースの終盤、ウエットタイヤに換えようと決めた。周囲のクルマは雨に苦しんでおり、この状況にチャンスがあるだろうと判断した。ドライタイヤのままだったマシンは、ファイナルラップでかなりのタイムをロスしており、多くが順位を落としていた。不運にも、ジェンソンがポイントを取るには遅すぎた。結局、われわれにとって、失うものも、得るものもない、当たり障りがない戦略になってしまった。