HRDプレスリリース
第15戦 シンガポールGP 決勝レース
9月28日・日曜日(決勝レース) 天候:晴れ 気温:28〜30度

 第15戦シンガポールGPの決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのジェンソン・バトンは9位完走。ルーベンス・バリチェロは序盤、15周目にリタイアに終わった。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開:
 決勝当日も、晴れ。20時の時点で気温は28度と、前日よりはやや低い。とはいえ過度な湿度もあり、ドライバーにとって厳しいコンディションであることには変わらない。1周目。12番手スタートのバトンはふたつポジションを落とし14番手。逆にバリチェロは、18番手スタートからひとつ順位を上げた。かなりの燃料を積んだJ・トゥルーリ(トヨタ)が9番手に居座り、そこからほぼ10台が数珠繋ぎになっている。

 14周目。16番手を走っていたN・ピケJr(ルノー)が、17コーナーで壁に激突。ドライバーにケガはなかったものの、破片が散乱し、セイフティカーが導入された。バリチェロは、その直前の絶妙なタイミングで最初のピットインを敢行した。しかし、コースに復帰後、電気系のトラブルにより、コース上で止まってしまい、そのままリタイアした。一方のバトンは、この時点で、12番手を走っている
 17周目。ピットレーンが開き、バトンを含めた10人近くがピットへ急ぐ。ところが首位のF・マッサ(フェラーリ)が給油リグが抜けないまま発進してしまい、すぐに停止。最下位に転落するハプニングが発生した。19周目にセイフティカーが戻り、レースが再開され、バトンは13番手だ。

 さらに首位のN・ロズベルグ(ウィリアムズ)、4番手のR・クビカ(BMWザウバー)に10秒ピット停止のペナルティが課され、後方へと順位が下がる。折り返し点の31周目には、バトンは10番手を走っている。背後にはH・コバライネン(マクラーレン)、K・ライコネン(フェラーリ)が迫る。

 35周目。バトンが2度目のピットインに向かう。そしてコバライネンの前、12番手でコース復帰に成功する。残り11周となった50周目。A・スーティル(フォースインディア)がバリアにぶつかり、2度目のセイフティカーが導入される。バトンは10番手だ。

 53周目にセイフティカーが戻り、レース再開。バトンは中嶋一貴(ウィリアムズ)を、激しく追う。残り3周の58周目に、5番手を走っていたライコネンがクラッシュ。バトンは9番手に上がったものの、ポイント獲得に惜しくもあと一歩届かなかった。

■ジェンソン・バトン 9位

Q.アクシデントの多いレースだったものの、セイフティカー出動は有利に働かなかったのでは?
A.確かに、セイフティカーのタイミングや運が勝負を決めたレースだった。残念ながら、僕らには運がなく、2回のセイフティカー導入のタイミングも2ストップ作戦には有利にならなかった。それに加えて、僕らには戦闘力や速さが足りず、レースを通じてバランスに苦戦していた。ポイントまであとわずかの9位フィニッシュは悔しい。

■ルーベンス・バリチェロ リタイア(15周目)

Q.これからというところでレースが終わってしまい、悔しいと思うが。
A.18番手からのスタートで、何かが起こってポジションを上げられることを願っていた。その機会は14周目に訪れ、ピケJr.がクラッシュしたときに、僕のエンジニアが絶妙のタイミングで僕をピットに呼んだ。セイフティカーが入る直前にピットに入り、いいポジションでコースに戻ることができた。しかし、そんな時にエンジンが止まってしまった。僕は燃料をたくさん積んでいて、いい位置につけ、前の集団についていけるだけのペースもあった。だから、すばらしいレースになったはずだった。今日は絶好の機会を逃してしまい、とても残念だ。

■ロス・ブロウン Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

Q.今日のレースは残念な結果だったのでは?
A.2台のマシンに、別々の戦略をとることにしていた。その理由の一つは、セイフティカーが入ることを見越してのことだった。最初にセイフティカーが入ったときは、ルーベンスや、他の1ストップ作戦をとっているドライバーたちにとって、勝負どころだった。その上、セイフティカーが入ることをピットウォールで予期したわれわれは、イエローフラッグが振られる前に、ルーベンスを給油のためにピットに呼んでいた。その後のレースで、非常にいいところにつけられるはずだった。しかし、ルーベンスはピットを出たすぐ後に、電気系のトラブルで止まってしまった。セイフティカーのタイミングがルーベンスのような戦略を取ったドライバーの役に立つ一方で、ジェンソンのような2ストップ作戦をとっていたドライバーにとっては、これが不利に働いた。ジェンソンはアドバンテージを得ている1ストッパーの一団とともにピットに入らなければならなかった。レースの後半になって、ジェンソンはトラフィックのためにポジションを上げることができず、われわれは彼の2回目のピットストップを早めに行うことにした。これは、レース終盤のピットストップとしては 早いタイミングだった。もう一度セイフティカーが入ることを期待しての賭けだったが、それは遅すぎた。このことで、ジェンソンは重たいクルマの後ろにつくことになってしまった。