前戦ドイツGP後の3週間はテスト禁止期間だったこともあり、Lucky Strike B・A・R Hondaのスタッフは、一時の休暇を取ることができた。そして今週末からは、シーズンの残り3分の1の緒戦となる、ハンガリーGPが始まる。

〜HRD プレスリリース〜

■中本修平 エンジニアリング・ディレクター Honda Racing Development
「エンジニア達はつかの間の休暇を楽しんで、リフレッシュできました。残り6戦に向けての、気合いは十分といったところです。シーズンはまだ3分の1ありますが、最後まで攻めの姿勢を崩さず、最高のポジションで1年を終えたいと思っています」
ここ数日間、B・A・R Hondaドライバーであるジェンソン・バトンが、突然来季の移籍の意思を発表したことが世界中のメディアを賑わせている。そのバトンは夏休み直前のドイツGPでは、素晴らしい走りで2位表彰台を獲得。これで今季B・A・R Hondaの上げた8つの表彰台のうち、7つまでがバトンによるものとなった。チームメイトの佐藤琢磨は、この夏休みの間に日本に帰省。久し振りに家族や友人との再会を楽しんだ。また第3ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、イングランド南西部のコーンウェル地方で、充電に務めている。

しかし、いくらテスト禁止期間とはいえ、3人のドライバーがただ遊んでいたのでないことは言うまでもない。個人トレーナーに付いて日々のトレーニングを欠かさず、次戦に向けて万全のコンディションを維持して来た。

テストチームのメンバー達も、テスト禁止期間を利用し、普段なかなかできない家族サービスにいそしんだ。HRDのエンジニアやスタッフの多くも、日本に一時帰省した。しかし帰国は休暇のためだけでなく、Hondaの開発の中枢である栃木研究所にも赴き、RA004Eエンジンをシーズン終盤に向け、いか熟成していくか、そして2005年用エンジンの開発プログラムに関しても、ミーティングを重ねてきた。

ハンガリーにおけるHonda
ブダペスト近郊ブダオルスにあるHonda ハンガリーは、1993年に設立された。翌年4月1日の創業当時は、僅か6人のスタッフ。それが今日は、マーケットの拡大に伴って26人にまで拡大した。Honda ハンガリーは乗用車、2輪車の輸入に携わり、参加には現在、26の4輪ディーラー、そして25の2輪ディーラーを抱えている。その販売台数は年々増えており、昨年は4輪2300台、2輪1600台の実績を上げるに至っている。

■ジェンソン・バトン
「このサーキットも我々のマシンの特性には合っているはずで、前戦ドイツGPと同様の好パフォーマンスを発揮できると思っている。ブダペストの町も面白いし、レースの雰囲気も最高だ。観客は皆熱狂的だしね。夏休みを終えて、早くF1マシンを運転したいと思っている。そしてチームのために、最高の結果を出したいね」

■佐藤琢磨
「新しくなったハンガロリンクは、まだ走ったことがないんです。でも以前より追い越しのチャンスも増えて、ずっと面白くなった感じですね。最近の数戦、少し精彩を欠いたことがありましたが、基本的に僕らのマシンはどんなサーキットでも速いはずです。前戦ドイツでは、再び正しい方向に進んでいることが実感できましたしね。だからハンガリーGPでも、好結果を期待しています。この2週間、充実した休暇を過して、体調も万全です。必ず満足できる走りを見せますよ」

■デビッド・リチャーズ Lucky Strike B・A・R Honda代表
「我々は3週間前のドイツGPで、B・A・R Hondaの歴史の中で間違いなくベストと言って良い成績を上げることができた。十分に優勝を狙える戦闘力があることが確認できただけに、シーズン残り6戦が一層楽しみだ。しかし先週来の出来事は、チーム全体にとって非常に大きな衝撃だった。とは言えB・A・R Hondaは一流のプロ集団であり、一旦は落胆したものの、すぐに目前の仕事に向けて、全力をあげる態勢を整えている。契約の問題ばかりが取り沙汰されているが、ハンガリーGPでも、これまでのような実力を発揮することを信じているし、今回も、もちろん表彰台獲得を目標にしている」

■クレイグ・ウィルソン B・A・Rチーフレースエンジニア
「3週間の休みを経て、次戦ハンガリーもダブル入賞、そして表彰台獲得の目標は変わらない。コースレイアウトが変わったとは言え、低速コーナー主体のハンガロリンクは依然として、最大級のダウンフォースを必要とする。ここは路面の汚れがひどく、完全にグリップのある状態で走ることが出来てからでないと、タイヤ選択ができない。その意味でも、難しいサーキットだと言える。コース特性と気温の高さから言うと、アンダーステアが出やすい。しかしマシンセットアップは、レース中にいかにリアタイヤをいたわるかという兼ね合いで、行なわれることになるだろう」